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2024/4/9
【Printing】HP、高度な技術とインテリジェントオートメーションにより、デジタル印刷分野の新たな業界標準を確立
<ポイント>
・ クラス最高の生産性を誇る「HP Indigo 120Kデジタル印刷機」(*1)と、B2デジタル印刷機で従来比で最も幅広い範囲の印刷アプリケーションを処理できる「HP Indigo 18Kデジタル印刷機」(*2)を発表
・ デジタルセキュリティ印刷への革新的アプローチを実現する、「HP Indigo 7K Secureデジタル印刷機」を発表
・ AI(人工知能)とロボティクスを活用し、エンドツーエンドの自動化の業界標準を定義
・ HP PageWideポートフォリオの強化により生産の課題を解決し、印刷業界の成長機会を拡大
日本HPは、2024年5月28日からドイツで開催されるdrupa 2024に先駆け、商業印刷業界とラベルおよびパッケージング業界における生産の課題に向け開発したHPデジタル印刷機およびインテリジェントソリューションの最新ラインアップを発表した。
HP Industrial Print事業のシニアバイスプレジデント兼事業部長であるハイム・レヴィット(Haim Levit)氏は次のように述べている。
「HPは、お客様が収益性の高い持続可能な成長を実現できるよう取り組んでいます。当社の HP Indigo 独自の湿式電子写真(LEP)技術、LEPx技術、およびインクジェット技術は、品質、汎用性、生産性、持続可能性、および経済性のすべてにおいて向上しています。継続的イノベーションへの多大な投資により、8千社以上の印刷事業者とコンバーターがビジネスを拡大して持続的な成長を実現しています。HPは30年以上にわたりデジタルトランスフォーメーションのリーダーとして積み重ねてきた実績をもとに、HPのデジタル印刷技術は商業印刷とラベルおよびパッケージング生産における絶対的基準を確立しています」
大量生産の課題に対応
今日の印刷業界は、増え続ける生産の課題への対応に追われている。サプライチェーンの課題、エネルギー供給の懸念、長引く業界の労働力不足に対処するために、生産現場全体で効率、スピード、信頼性をさらに高める必要性が高まっている。
「HP Indigo 120Kデジタル印刷機」は、大量生産と自動化に関して新たな標準を確立するとともに、顧客の厳しい要求に応えるために、印刷事業者がより直観的かつ経済的にアナログからデジタルへ作業を移行することを可能にする。「HP Indigo 120Kデジタル印刷機」は、アナログとデジタル技術を組み合わせて生産現場を最適化することで、人手が必要な作業を減らし、1人のオペレーターによる複数の印刷作業を可能にする。「HP Indigo 120Kデジタル印刷機」は、オフセット印刷に匹敵する画像品質、オフセットとデジタルの間での柔軟な工順、そして印刷機のカーボンフットプリントを11%削減するエコモードオプション(*3)を提供し、サステナビリティの目標達成を支援する。
収益性の高い成長を実現
ベストセラーのB2対応デジタル枚葉印刷機の次世代機である、「HP Indigo 18Kデジタル印刷機」は、汎用性、効率、および使いやすさを新たな水準に引き上げる。商業印刷業界が大きな変革に取り組む中、印刷事業者が提供するサービスを充実させ、持続的な成長を支援する印刷機とソリューションが不可欠になっている。
「HP Indigo 18Kデジタル印刷機」は、B2デジタル印刷機でこれまでに生産された最も幅広い範囲の印刷アプリケーションを処理することができ(*2)、多様な素材とジョブタイプにシームレスに対応。自動復旧やプロアクティブアラートなどの高度なAI機能により、生産性が向上し、生産プロセス全体が簡素化されて、印刷機の可用性が単一シフト内で最大80%(*4)に達する。「HP Indigo 18Kデジタル印刷機」は、HPのサステナビリティへの取り組みに沿って生産性向上モード(EPM)をサポートしており、1枚当たりのエネルギー消費を24%削減する(*5)。
デジタルセキュリティ印刷のイノベーション
「HP Indigo 7K Secureデジタル印刷機」は、セキュリティを重視した印刷ジョブをワンパスで実行し、高度なセキュリティ印刷を提供する。Jura JSPとの共同開発により、生産ラインのセキュリティを確保するためにワークフローをカスタマイズできるため、セキュリティ印刷事業者は幅広いセキュリティのニーズに応じて印刷物を多様化することでビジネスを成長させることができる。
市場で最速のナローウェブデジタル印刷機の一般販売開始
印刷業界で自動化とデジタル化が進められる中、HP Indigoは、かつてないレベルの生産性、効率、汎用性、品質、および費用効率によって顧客のビジネスを強化し、自動化とサステナビリティの業界標準を定義する。HPは、市場で最速のナローウェブデジタル印刷機であり、革新的なLEPx技術を初めて使用した「HP Indigo V12デジタル印刷機」の一般発売も開始する(*6)。米国の持続可能なパッケージングとデジタル印刷のリーダーであるBrook + Whittle社を含むベータサイトへの設置が成功している。
インテリジェントな生産現場で成功への道を開く
HPは、AIとロボティクスによる自動化への業界アプローチを定義し、包括的な印刷生産自動化エコシステムを構築する。HP社内の調査によると、自動化されたプロセスを活用するユーザーは自動化が進んでいないユーザーと比較し、印刷機1台当たりの生産量は51%、ジョブ数は80%多くなっている。これらのユーザーは前年比で平均27%ビジネスが成長しており、これは業界平均より高い成長率。HPの総合的アプローチでは、効率的な印刷機に、ジョブの送信から発送までのインテリジェントな機能を組み合わせている。
効率に関する具体的なイノベーションには以下が含まれる。
・アナログ印刷および加工機のPrintOS Production Beatのサポート:HPの印刷機だけでなく生産現場全体を監視でき、アナログ装置からデータをリアルタイムでキャプチャして、生産全体をデジタル化できる。
・HP Indigo PQ Maestro:印刷機のパフォーマンスを最適化するインテリジェントなウィザードを提供。
・Preflight:顧客のプリファレンスを学習することで、最適の印刷モードを自動的に予測する、AIを活用した意思決定支援ツール。
・強化されたAAA 2.0(自動警告エージェント):人手をまったく介さずに印刷の生産性を向上させる機械学習アルゴリズム(*7)。
Elanders社のカラーデジタル印刷部門の責任者Andreas Organzidis氏は、「AAA 2.0の使用により、生産時間が大幅に削減され、8万インプレッションごとに約1時間短縮できます。その結果、業務効率が向上しただけでなく、お客様からのクレームや返品が5~7%も削減しました」と述べている。
生産現場の生産性向上を目指す業界へ向けて、HPはMoviĜo社と共同で自律走行搬送ロボット(AMR)を発表した。このAMRでメディアの搬送を自動化することで、 印刷機当たり1日最大2時間を節約できる。
HPは、印刷事業者およびコンバーターとのコラボレーションにより、HP Sustainability Amplifierプログラムの発足を発表し、印刷事業者とコンバーターがサステナビリティアジェンダを加速してより持続可能な印刷を実現できるよう支援する。このプログラムとHPのサステナブルインパクト戦略は共に、再生可能エネルギーとCO2排出量削減を目指すHPの取り組みと合致している。
なお、HP Sustainability Amplifierプログラムの日本国内での提供は現在未定。
インクジェット技術に関する継続的イノベーションを推進
40年にわたりインクジェット(IJ)技術で業界をリードするHPは、独自のサーマルIJ技術を使用して、オフセット印刷に匹敵する品質と、デジタル印刷の高生産性を両立させている。HPが2009年に最初のIJ Web Pressを発売して以来、すでに1兆枚以上のページが印刷(*8)されている。
HPは顧客の投資を守り、持続可能な成長に貢献するために、IJ Web Press シリーズ向けに新たに、生産性、自動化、経済性を向上する以下の機能を強化した。
・パフォーマンスエコノミーカラー(EC)モード:少ないカラーインクで顧客が求める印刷品質を提供し、納期を短縮しながら最大244m/minと生産性を60%向上させる(*10)。
・Smart Workcell Controllerの一般提供:インテリジェントオートメーションが大幅に向上し、生産性が最大15倍向上する(*10)。
・オンプレスカラープロファイリング:自動化により、カラープロファイリングにかかる時間が5分未満になる。これは、通常の10分の1の時間(*11)。
HPはさらに、2022年に発表した「HP PageWide Advantage 2200」について、汎用性を広げる2つの新機能を追加する。
・厚紙への拡大:これまでより厚い素材を扱えるようにすることで、印刷事業者がより価値の高い仕事に対応できるようになる(最大320g/m2 /18pt(*12))。
・トランザクション印刷システム向けのMICR(Magnetic Ink Character Recognition):印刷事業者がより専門性の高い仕事を受注してビジネスを成長できるよう支援する。
drupa 2024会場のホール17では、最新のイノベーションを搭載した8つの自動生産ラインを実際に見学できる。これには、25社以上のパートナー企業が参加し、20以上の独自の自動化ソリューションが組み込まれている。
drupa 2024の出展内容に関する詳細はこちらへ。
*1:2023年秋の時点で市場に存在する他の枚葉デジタル印刷技術との比較。
*2:最も幅広い範囲という評価は、2023年9月時点で公表されている印刷機メーカーの技術仕様に基づいた、HP Indigoの広範な素材のサポートと、多種多様なエレクトロインキを考慮したもの。
*3:エコ印刷モードは、インキ層を薄くすることでサステナビリティを高める。カーボンフットプリントの見積(フランスでの印刷作業について計算)には、主な消耗品、印刷のエネルギー消費、顧客への供給品の運送費が含まれる。
*4:HP Indigoデジタル印刷機の時間配分モードに基づく。
*5:EPMで1枚当たりのエネルギー消費を24%削減するには、色分解を4色から3色に切り替える必要がある。
*6:中大ロットのジョブで120m/分(400リニアフィート)という最高の生産速度を発揮する。最高の生産速度という評価は、2022年9月時点での、主な競合他社のデジタル印刷機との仕様比較に基づく。
*7:内部データに基づく。検出される不具合1件につき約3分節約できる。
*8:接続された印刷機の報告データを通じて2024年2月に収集されたHPの内部データに基づく。
*9:2023年2月時点のHPの公開仕様(データシート、Webサイトなど)による、パフォーマンスモード、パフォーマンスHDKモード、およびクオリティモード(すべて最大152m/分)との比較。実際の速度/印刷機のパフォーマンスは、印刷機、乾燥機、およびデジタルフロントエンドの構成、印刷速度、メディアの選択、印刷アプリケーション、環境要因など、さまざまな要因の影響を受ける可能性がある。
*10:実際の顧客のジョブバスケットとシミュレートしたジョブバスケットについて、HPが2024年2月に収集したデータに基づく。実際の結果は、ワークフローの設定とジョブバスケットによって異なる場合がある。
*11:新規のカラープロファイルを手動で設定する場合との比較。HPのデータは、この新機能を使用している生産準備が整った印刷機では、新規のプロファイルを5分未満で設定できることを示唆している。
*12:厚紙を使用するには、HP PageWide Advantage 2200を3ゾーンおよびアクティブウェブ冷却構成にする必要がある。この印刷機構成では、40~320g/m2および最大18 pt./C1Sがサポートされる。40~60g/m2または250~300g/m2の間のメディアについては、顧客のアプリケーション独自のテストを実行することを推奨する。顧客独自のアプリケーションテストで、300~320g/m2/16~18 pt.の間のメディアをサポートできる。
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