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2025/9/9

【PV】NEDO、太陽光発電導入拡大への課題解決に向けたテーマ24件を採択

太陽光発電開発戦略2025(NEDO PV Challenges 2025)における目指すべき姿

 2025年2月18日に閣議決定された第7次エネルギー基本計画では、エネルギーの安定供給と脱炭素を両立させる観点から、再生可能エネルギーを主力電源として最大限導入することを目指している。また、2040年度におけるエネルギー需給の見通しにおいて、再生可能エネルギーは電源構成の4割から5割程度、そのうち太陽光発電は23%から29%程度とされている。
 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)では、太陽光発電(PV)を取り巻く社会・産業・技術動向を踏まえ、大量導入後の社会課題を見据えた技術戦略「太陽光発電開発戦略2025(NEDO PV Challenges 2025)※1」を2025年3月28日に策定した。同戦略では、PVに関する国内外の現状および課題を整理し、今後取り組むべき技術的方策として、(1)次世代型太陽電池の開発、(2)導入拡大のためのPVシステムの開発、(3)多様化するニーズへの対応、(4)発電設備の長期安定電源化、(5)資源循環を目指したリサイクルシステムの開発の5つを提示した。
 NEDOでは、同戦略で提示した技術的方策を実行するため、2025年度にスタートする「太陽光発電導入拡大等技術開発事業」※2を新たに立ち上げ、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、太陽電池の多様な可能性を追求し、次世代型太陽電池の開発や設置場所に応じたPVシステムの開発を行う。また、PVの大量導入を支え、長期的に安定した電源として維持するための開発や、太陽電池モジュールのリサイクル技術の開発を行う。NEDOはこの事業を通じて、脱炭素社会を支える持続可能なPVシステムの構築を支援し、PVの大量導入を基調とした2050年カーボンニュートラル実現を目指す。
 このたびの公募において、研究開発テーマ20件および動向調査テーマ4件の計24件を採択した。主な実施内容は以下の通り。
(1)次世代型太陽電池技術開発
 太陽電池の多様な可能性を追求し、さらなる用途拡大・高効率化・耐久性向上などに向け、結晶シリコン太陽電池を超える次世代型太陽電池の開発を行う。ペロブスカイト太陽電池と結晶シリコン太陽電池や化合物太陽電池を組み合わせ、従来より高効率かつ高耐久性などの特長を有する太陽電池の開発を目指す研究開発テーマ3件を実施する。


(2)設置場所に応じた太陽光発電システム技術開発
 PVシステムの適地制約の解消および多様化するニーズへの対応を目的とした太陽電池モジュール開発(低コスト化・高効率化・軽量化・高意匠化・難燃化・高耐久化など)、PVシステムの設置・施工方法の開発、設置・施工後の維持管理方法などの研究開発テーマ5件を実施する。


(3)発電設備の長期安定電源化技術開発
 信頼性・安全性確保のための設置・施工や運用・保守に関するガイドラインの作成・更新と調整力確保量低減のための日射量の高精度予測技術の開発などを目指す、研究開発テーマ2件を実施する。

(4)循環型社会構築リサイクル技術開発
 今後の導入拡大に向けた開発が進むペロブスカイト太陽電池を対象として、環境などに配慮した適切なリサイクルシステムを確立するための評価・検証を行うため、研究開発テーマ2件を実施する。

(5)共通基盤技術開発
 太陽電池セル・モジュールの性能・信頼性・安定性の評価技術や、次世代型として開発される太陽電池のさらに先の世代で普及させる太陽電池を開発するため、研究開発テーマ8件を実施する。

(6)動向調査研究
 PVの技術・産業・市場動向、国際技術協力プログラムとの連携活動、太陽電池モジュールのリサイクル動向、ペロブスカイト太陽電池の標準化動向に関する調査テーマ4件を実施する。

※1 太陽光発電開発戦略2025(NEDO PV Challenges 2025)
NEDOニュースリリース(2025年3月28日)「「太陽光発電開発戦略2025(NEDO PV Challenges 2025)」を策定しました
※2 太陽光発電導入拡大等技術開発事業
事業名:太陽光発電導入拡大等技術開発事業
事業期間:2025年度~2029年度
事業概要:太陽光発電導入拡大等技術開発事業

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