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2024/11/15
【SAF】エア・カナダ、カナダで使用する持続可能な航空燃料をネステから約7800万L調達
エア・カナダは、未混合で純粋な「 Neste MY Sustainable Aviation Fuel(SAF)」を7760万リットル(2050万米ガロン)購入する契約をネステと結んだと発表した。これは同社の気候変動に対する取り組みの一環。
SAF生産大手のネステは、ブレンドされた状態で購入したSAFを来月からバンクーバー・マリンターミナルへ輸送する予定。2025年にはさらに貨物船による海上輸送が続く。このSAF購入は、エア・カナダによる初めてのSAFのカナダへの商業輸入となる。
SAFの生産能力は拡大されているが、現在の世界的なSAF供給量は依然として非常に限られており、コストも高く、世界的な需要のごく一部しか満たせていない。IATAは、2024年SAFの生産量が3倍に増加しても、同年の航空業界全体の燃料需要のわずか0.53%を賄うに過ぎないと発表した。エア・カナダは他の主要なカナダ企業と共に、SAFの供給拡大を目指し、民間航空向けにコスト競争力のあるカナダ産SAFの供給を促進するための支援をカナダ政府に要請している。消費者への影響を抑えつつエネルギー転換による航空業界の脱炭素化を進めるためには、需要と供給のバランスを取った規制アプローチが必要である。
C-SAF(カナダSAF協議会)によると、カナダは、豊富な再生可能資源、先進的な精製能力、革新的な技術提供者の存在から、SAF生産のリーダーシップを発揮できる土台があるとのこと。これらの強みを活用することで、カナダは、環境目標の達成に寄与するだけでなく、経済成長と雇用創出をももたらす、持続可能な供給網の構築が可能になる。
エア・カナダは、2050年までにすべてのグローバル事業からの温室効果ガス排出量をネットゼロにするという長期的な目標に向けて取り組み続けている。また、2019年の排出量を基準として、2030年までに航空および地上業務の両方で温室効果ガス排出量の中期削減目標を達成することも目指す。
また、エア・カナダのLeave Lessトラベルプログラムを通じて、法人顧客や貨物荷主に対しては、航空機利用の出張または貨物輸送について、SAF関連のスコープ3排出量削減、カーボンオフセット、またはその両方の組み合わせを購入することができる。このプログラムは、顧客がそれぞれの環境持続可能性目標を達成するために実施している同社の多くの取り組みの一つ。
エア・カナダの環境および持続可能性プログラムの詳細については、Leave Lessを参照。
ネステ SAFについて
SAFは、従来の化石燃料に代わる再生可能な航空燃料。「Neste MY Sustainable Aviation Fuel™」を使用すると、燃料ライフサイクル全体で従来の航空燃料と比べて最大80%の温室効果ガス排出料量削減が期待できる。これは、CORSIA方式をはじめとした、燃料ライフサイクル評価方法で計算されており、純粋な状態(未混合)での使用で達成される数値。
ネステのSAFは、使用済みの食用油や動物脂肪廃棄物から生成され、商業用途での認証も取得している。現在、従来のジェット燃料と最大50%まで混合して使用することができ、現存の航空機エンジンや燃料供給インフラに適合している。
エア・カナダ 社長兼CEOのマイケル・ルソーは次のように述べている。
「エア・カナダは、温室効果ガス排出量の削減に向けて積極的な企業努力を続けております。環境負荷の軽減並びに環境の持続可能性に対する当社の多角的な取り組みの中で、SAFは重要な役割を果たしています。今回のネステからのSAF購入は、2025年のジェット燃料使用予定量の1%をSAFで調達するという当社の目標に大きく貢献するものです」
「エア・カナダ及びカナダの航空業界は、当面SAFの輸入に頼ることを継続するしかありません。しかし、2050年までに温室効果ガスの排出量をネットゼロにするという、私たちの長期的な目標を達成するためには、SAFのカナダ国産化が必須です。私たちエア・カナダは、カナダの連邦政府や州政府が、カナダ国内における競争力を持つSAF業界の発展とSAF生産の拡がりに対して、主導的な役割を果たし、積極的に支援することを働きかけています」
ネステ エグゼクティブ・ヴァイスプレジデントのカール・ナイバーグは次のように述べている。
「バンクーバー空港にて使用するネステのSAFを大量に供給することで、エア・カナダとの協力関係を拡大できたことを光栄に思います。当社のSAFをカナダに供給することは初めてのことです。このことは、カナダの航空業界が温室効果ガス排出量を軽減するための努力を後押しする、当社の取り組みの一環です。また、SAFの利用促進に関して、カナダ政府の政策が重要な役割を果たしたことを示すものでもあります。エア・カナダとのこの素晴らしい協力関係が継続することを願っています」
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