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2025/8/22

【SAF】東洋エンジニアリング、NEDO公募「多様な原料を利用可能とする製造技術の開発」に採択

 東洋エンジニアリングは、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公募する「持続可能な航空燃料(SAF)等の安定的・効率的な生産技術開発事業」の研究開発項目の1つである「多様な原料を利用可能とするSAF製造技術の開発」*1において、「原料を拡大したガス化FT合成SAFおよびeSAF製造可能性調査」というテーマで採択された。
 今後の拡大が見込まれる航空需要予測と温室効果ガス(GHG)排出削減のために、SAFの需要が将来的に高まることが見込まれている。同事業では、これまで十分に検討されてこなかった都市ごみなど多様な原料を対象に、ガス化FT(Fischer-Tropsch)合成*2経由、メタノール経由のSAF製造の技術的・経済的可能性を調査する。FT合成技術にはVelocys社*3が保有する先進的な技術を、メタノール製造については東洋エンジニアリングが長年培ってきた独自技術を活用する。
 事業期間は2025年度~2026年度の約1年半で、国内外の立地条件を踏まえた調査を通じて、以下の成果を目指す。
1.多様な原料を利用したガス化FT合成またはメタノール経由によるSAF供給ポテンシャルの数値化
2.両製造ルートの技術的・経済的な特徴の整理と比較
3.SAF製造に加え、ガソリンや軽油などの合成燃料を併産することによる事業性向上の可能性提示
4.再エネ由来水素と回収CO2を原料とするeSAF*4普及に向けた課題整理と技術開発の方向性提示
 東洋エンジニアリングはこれまでにも、NEDOの委託・助成を受けてパイロットスケールでのガス化FT合成による連続SAF製造実証やSAFサプライチェーン全体の構築に向けた検討を行ってきた。
 今後も東洋エンジニアリングは、技術力とグローバルなパートナーシップを活かし、持続可能な航空燃料の社会実装に向けた技術基盤の確立に貢献していく。

調査概念図

*1 「持続可能な航空燃料(SAF)等の安定的・効率的な生産技術開発事業」に係る実施体制の決定について
*2 FT(Fisher-Tropsch)合成とは、触媒を用いて一酸化炭素(CO)と水素(H2)から液体燃料を合成する化学反応
*3 Velocys(ベロシス)は、英国・米国を拠点とする企業で、持続可能な航空燃料(SAF)などの合成燃料を製造する技術を開発している。Fischer-Tropsch法を用いたマイクロチャンネル反応技術に強みがある。東洋エンジニアリングは2021年に包括契約を結んでいる。プレスリリース:再生可能燃料分野でVelocysと包括協定書を締結
*4 eSAFとは、電解水素と回収CO2を原料とする合成燃料(e-fuel)の内、SAF相当の燃料を指す。

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