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2024/4/23
【SAP】長瀬産業、ナガセケムテックス、ナガセヴィータ、高バイオマス度の高吸水性ポリマーの海洋生分解性を確認
長瀬産業は、中期経営計画「ACE2.0」の成長ストーリーにおいて、「基盤」「注力」「育成」「改善」の4つの領域を掲げ、商社、製造、研究開発の各機能を軸に事業を展開している。長瀬産業とNAGASEグループの中核製造会社のナガセケムテックス、ナガセヴィータは、高バイオマス度の高吸水性ポリマー(SAP)の新グレードの開発に成功し、第三者機関による試験(ASTM D6691)で、海洋生分解性認証に求められる分解性(海洋中180日間で90%以上の分解)を示す事が確認された。この開発は、育成領域である研究開発機能を活用したバイオ分野での素材開発の一環であり、2026年度中の上市を目指し、ナガセケムテックスで量産技術の確立と生産体制の構築を進めていく。
SAPは高い吸水性能を有する高分子材料で、紙おむつを中心にナプキンなどの衛生用品や、農業、緑化分野など幅広い分野で使用されている。従来品の多くは石油由来かつ非生分解性で環境負荷が大きいことが課題で、環境負荷の少ない天然由来かつ生分解性を有するSAPの研究開発が行われてきたが、十分な吸水性能が得られず、最終製品としての活用は難しいとされていた。これに対して、NAGASEグループでは、ナガセヴィータの有する酵素技術と、ナガセケムテックスの樹脂製造技術を掛け合わせ、澱粉を主原料としてバイオ由来原料の比率を高めながら吸水性能を最大限に引き出したSAPの開発に、2023年2月に成功した(※)。
今回開発された新グレードのSAPは、海水中で分解される特性により、緑化や農業用の保水材として土壌で使用し河川などを通じて海に流れ出た場合でも、プラスチックごみとして残存する量を削減することができる。海洋中のマイクロプラスチック化が問題視されている製品に使用することで、より環境に配慮したものづくりへの貢献が期待できる。ESG投資の拡大やSDGs意識の高まりなどを背景に、環境対応製品の開発に注力する企業や自治体などに向けて販売していくことを想定している。
NAGASEグループでは約190年の歴史で培ってきたケミカルとバイオのノウハウと、商社、製造、研究開発の各機能を掛け合わせ、新たなサステナブル市場の創造に向けたソリューション提案に取り組む。「ものづくりの課題を素材(マテリアル)で解決する」企業として、人々が快適に暮らせる安心・安全で温もりある社会の実現に貢献していく。
※バイオ由来 高バイオマス度の高吸水性ポリマーの開発に成功(nagase.co.jp)( https://www.nagase.co.jp/assetfiles/uploads/20230201_1.pdf )
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