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2024/3/6

【Survey Report】JEITA、日米デジタル経営調査結果を発表

デジタル経営の実践段階にある米国企業の割合が50%を上回る一方、日本企業では25%程度に留まっており、米国企業に比べて日本企業のデジタル経営への取り組みは遅れを取っている
デジタル「経営」であることを正しく理解し、日本企業の実態に即した人材施策と組織変革を行うと共に、「米国企業だからできる」という考え方を捨てるべき

 電子情報技術産業協会(JEITA)のソリューションサービス事業委員会(委員長:石橋潤一富士通サービスプラットフォーム品質マネジメント室長)は、本日、IDC Japanと共同で実施した「日米デジタル経営調査」の結果を発表した。同調査は2013年の「ITを活用した経営に対する日米企業の相違分析」、2017年の「日本企業のIT経営に関する調査」、2020年の「日米企業のDXに関する調査」に続く調査であり、今年はデジタル経営に焦点を当てている。今回も、民間企業の非IT部門のマネージャーおよび経営幹部を対象にアンケートを実施、日本と米国それぞれ約300社に回答協力をいただいた結果をまとめ、デジタル経営に取り組む日本企業への提言を示した。

調査結果のサマリー

■日本企業は全般的には「効率化」のためにデジタルを活用しており、半数以上の日本企業が長期的なデジタル戦略を有している。デジタル戦略と経営戦略が一体化している日本企業は「攻め」の目的が明確でデータドリブン経営による成長を指向している。(*1、*2)

■日本企業のデジタル人材育成は、テクノロジー部門、ビジネス部門ともに既存従業員の再教育が中心で、外部からの採用や買収などを活用する米国企業とは異なる。日本の労働市場状況を考えると、より幅広い人材調達戦略が必要。(*3)

■日本企業のデジタルテクノロジーの適用領域は米国企業に比べて狭い。日本企業は「プロセス」のデジタル化が中心で、データを使った経営が緒に就いたばかり。(*4)

■デジタル経営を進めるには組織文化の変革が必要、という意識も日本企業では少ない。日本でもデジタル戦略と経営戦略が一体化している企業では、外部起点の思考、多様性の受容、権限移譲など変革の傾向がみられる。(*5)

提言
★デジタル「経営」であることの理解
 「経営」の視点からデジタル活用を考える「デジタル経営」の意識を強くし、幅広い業務プロセスで多くのテクノロジーを試すことが肝要。「デジタルのため」ではなく、「競争に勝つため」「従業員のやりがい」という高次の目的を設定し、戦略、人材、投資、組織文化、CSRすべてに「デジタル」を内在させる必要がある。
★日本企業の実態に即した人材施策と組織変革
 社内IT人材が少ない状況では、パートナーやベンダー活用が必須。米国企業も内製から外部ベンダーを活用する意識が高まっており、「丸投げ」にならずに適切な人材を社内外で確保できる仕組みを整える必要がある。そのためにも、さまざまな知見、スキル、経験を持った人材が、適時適所で活躍できるように、流動性を考慮した人事制度、評価制度との連動強化などが必要になる。
★「米国企業だからできる」という考え方を捨てる
 米国企業も「抵抗勢力」に対処してきており、経営層とミドルマネジメントの協力が必須。米国企業ができて、日本企業ができない理由はない。
 JEITAは2017年度より、サイバー空間と現実空間との情報連携により、新たな価値が生まれ、社会全体の最適化がもたらされる、世界に先駆けた超スマート社会の実現「Society 5.0」の推進を事業指針として掲げている。当事業委員会としては、これらを実現する手段としての「DXの推進」ならびに「攻めのIT投資」が必要であると考えており、今後も積極的な情報提供、提案活動を展開したいと考えている。ユーザー企業や団体とさまざまな情報提供の場を設ける他、JEITAの各委員会からの提言への反映、先行事例の公表、諸活動において得た知見の公開など、幅広いビジネスリーダーに対してITの価値を訴求していく。
▼調査概要
調査目的:日米企業におけるデジタル経営の取組み状況を明らかにして、日本企業に向けた提言をまとめる
調査主体:電子情報技術産業協会(ソリューションサービス事業委員会、情報政策委員会、ITプラットフォーム事業委員会)
IDC Japan
実施時期:2023年10~11月
企業規模:従業員数が300人以上の民間企業
産業分野:パブリックセクター(政府//自治体、教育、医療)およびITベンダーを除く全業種
回 答 者:情報システム部門以外に在籍しているマネージャーおよび経営幹部
調査形式:Webアンケート
回 答 数:日本257社、米国300社
出典(2024年JEITA/IDC Japan調査)

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