アーカイブ情報

2025/3/19

【TMAH】SN Tech、半導体製造用現像液の回収・再生事業を行う新工場開設

 長瀬産業ナガセケムテックスSachem Incの合弁会社であるSN Tech Corporation(SN Tech)は、半導体製造に必要な高純度現像液の回収・再生事業(※1)を行う新工場「SN Tech東大阪第二工場」を東大阪市に開設した。本事業は、半導体製造に使用される高純度現像液(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド:通称TMAH)の回収・再生を行うもので、使用済みTMAHを回収・再生し、販売する国内初の事例です。2025年度中の量産稼働開始を見込んでいる。
 長瀬産業は中期経営計画ACE 2.0の成長ストーリーにおいて「基盤」「注力」「育成」「改善」の4つの領域を掲げ、 商社、製造、研究開発の各機能を軸に事業を展開している。今回の新工場設立は、注力領域である半導体分野における製造機能への取り組みの一環にあたる。

取り組みの背景
 半導体チップの製造工程は、シリコンウェハに回路を形成する前工程と、回路が形成されたシリコンウェハを半導体チップとして組み立てる後工程に分かれている。前工程におけるフォトリソグラフィ工程では、回路形成時に極めて高純度な現像液(TMAH)が必要となる。一方で、TMAHの再生には高度な電解・精製技術を要することから回収・再生による再利用は困難とされ、半導体製造事業において環境負荷や収益面での課題となっていた。SN Techは、2008年から液晶パネルの製造で使用されるTMAHの回収・再生事業を通じて培った電解・精製技術やノウハウを使いTMAHの再利用に取り組んでいる。

新工場の稼働について
 新工場はTMAHの製造・高純度化を行う電解設備、精製設備を有しており、半導体工場から回収する再生原料を基にTMAHに再生させる半導体用現像液のリサイクルが可能となります。2025年度中に量産稼働を開始する予定。本事業を通じた半導体製造工場のTMAHや水の再利用と安定調達、エネルギー削減により、コスト競争の激化が続く半導体事業における収益性改善と、世界中の企業が対応を迫られている持続可能な環境配慮ビジネスモデルの構築に取り組む。国内のみならず海外に向けての展開も視野に入れ、半導体関連事業の拡大を目指す。

SN Tech東大阪第二工場 概要
所在地:大阪府東大阪市
敷地面積:2603m2
設備:TMAH製造設備、TMAH高純度化設備
製造品目:高純度TMAH、グリーンTMAH(再生TMAH)

※1:2023年11月27日プレスリリース国内初・半導体製造に使用される現像液の回収・再生の事業化

■長瀬産業 概要
・本社所在地:東京都千代田区
・代表者:代表取締役社長 上島宏之
・事業概要:化学品、合成樹脂、電子材料、化粧品、健康食品等の輸出・輸入および販売
・URL:https://www.nagase.co.jp/

■ナガセケムテックス概要
・社名:ナガセケムテックス株式会社
・本社所在地:大阪市西区
・代表者:代表取締役社長 藤井 悟
・事業概要:エポキシ樹脂変性品等の高機能樹脂、フォトリソグラフィ用材料、エピクロルヒドリン誘導体、アクリルポリマー、導電塗料、殺菌・抗菌剤の製造販売
・URL:https://www.nagasechemtex.co.jp/

■Sachem Inc 概要
・社名:SACHEM, Inc.
・代表者:President/CEO Rosemary Hoffman
・事業概要:半導体用 高純度ケミカル製造
・URL:https://www.sacheminc.com/

カテゴリー
news
コンバーティングニュース