【AWARD】花王、「嗅覚受容体の網羅的な評価系『ScentVista 400』」の開発」で日本化学工業協会第58回日化協技術賞「総合賞」受賞

 花王は、このたび、「嗅覚受容体の網羅的な評価系『ScentVista 400』」の開発」により、日本化学工業協会の第58回(2025年度)日化協技術賞「総合賞」を受賞した。この賞は、優れた化学技術の開発や工業化によって化学産業ならびに経済社会の発展に寄与した業績が表彰されるもので、「総合賞」は独創性に富み、科学技術の進歩に寄与し、産業上の価値が高い優れた業績を挙げた団体に与えられる。

受賞技術の背景と概要

 ヒトの鼻には約400種類の嗅覚受容体が存在し、さまざまなにおい物質を認識することで、においを感じる。これまで、においに対する反応を確認できる嗅覚受容体は全体の1割程度にとどまり、においの本質解明には課題があった。
 この課題に対し花王は、タンパク質工学的なアプローチを取り入れることで、ほぼすべての嗅覚受容体を培養細胞の表面に発現させ、においに対する反応を可視化することに成功した。さらに、それらを用いて約400種類の嗅覚受容体の反応を網羅的に解析する技術「ScentVista 400」を構築した(動画)。

 「ScentVista 400」の特長は次の通り。
1.約400種類のヒト嗅覚受容体のほぼすべてを細胞表面に発現させ、においに対する嗅覚受容体の反応の網羅的解析を実現
2.においの感覚を「反応パターン」として可視化し、嗅覚の本質理解に寄与
 花王は「ScentVista 400」を応用し、不快臭を心地よい香りの反応パターンに近づけるなど、嗅覚受容体の反応を指標にした新しい香りづくりを追求していく。