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2025/10/30
【電子基板卓上型品質検査機】シリウスビジョン、「S-Comet」シリーズ開発
シリウスビジョンは、電子基板の外観品質画像検査機「S-Comet(エスコメット)」シリーズを開発し、販売を開始した。同シリーズは、卓上型コンパクト検査機でありながら、10ミクロンオーダーの高精細検査を実現した業界初の製品で、電子基板の検査精度向上だけでなく、作業効率化と負担軽減を実現し、作業者のスキルに関係なく安定した品質検査が可能。さらに、印刷工場現場で幅広く採用され自動化を実現してきたシリウスビジョン開発のAI「Sirius-AIS(シリウスアイズ)」を搭載することにより、人による判断をAIに置き換えることができ、目視検査ゼロの完全自動化を実現する。



S‐Cometシリーズは、A4サイズ対応の標準モデル「S-Comet」と、顧客の検査対象や環境に合わせて柔軟にカスタマイズができる「S-Comet Box」の2機種を用意。中小規模の製造ラインから、多品種少量生産の現場まで、幅広く対応可能。
検査品質を飛躍的に向上させる「S‐Comet」の特長
1.目視検査の負担を大幅軽減! 自動補正と高速検査で品質管理を強化
これまでの目視検査では、手作業での確認や拡大鏡や顕微鏡の使用により作業者の負担が大きく、出荷品質もばらつく課題があった 。同シリーズは独自のアルゴリズムを備えた高精度画像検査ソフト「フレックスビジョン」をあらかじめ組み込んだミニPCを内蔵し、検査業務を大幅に効率化・軽減し、安定した検査精度で出荷品質のばらつきを無くすことが可能。さらに、AIシステム「Sirius-AIS」を利用することにより、目視検査ゼロの検査自動化を実現する。
検査可能な欠陥は、
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部品実装後の電子基板の場合:異物混入、傷、打痕、汚れ、部品の欠落、部品取付ミス(異品種取付、反転や傾き・位置ずれなど)、部品上の印字品質、OCRやバーコード品質・読取、ICリードの曲がり、はんだ不良、他
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部品実装前の電子基板の場合:配線パターンの欠け、断線、ショート、配線ミス、位置ずれ、曲がり、傷、打痕、異物混入、汚れなど
に対応。また検査する際、検査対象となる電子基板がテーブル上に斜めに置かれた場合でも、ソフト上で自動補正し、正しい向きに整えた状態で検査を実施する。検査時間は、単純な内容であれば1秒から数秒以内で完了し、検査時間の大幅な短縮が可能となる。
2.卓上サイズで『10ミクロンの目』を実現

高解像度エリアカメラと独自の照明技術により、1画素10μmの高解像度検査を実現。カメラはいずれも解像度600~2400dpiのエリアカメラを採用し、10~40µmの画像分解能で微細な欠陥も安定した検出が可能。
※最小分解能10μmの場合、検査視野は限定される
光源はLEDタイプであるが、独自の照明技術で対象となる電子基板に応じた光の照射と反射を最適化し、鮮明な画像での検査が可能となり、光沢のある製品の検査も安定して行える 。
3.直感的な操作性と、長期保存にも対応する検査結果管理
同シリーズは、卓上設置可能なコンパクトな筐体サイズと、タッチパネル式の簡単操作を実現し、扱いやすさを追求した。担当者は「初心者でも直感的で簡単に操作可能」とコメントしており、導入したその日からすぐに使える検査機となっている 。
検査結果は、ディスプレイにリアルタイム表示され、NG品をアラーム音で知らせる機能も搭載している。
検査対象ごとに、どのような欠陥が検出されたか(欠陥拡大画像と欠陥サイズなど)を記録した検査レポートがPDFファイルで出力されるとともに、撮像画像はTIFF形式で保存され、必要に応じて他のPCやハードディスクに移行して検査データを長期間保管することも可能。
4.顧客の検査対象に合わせて最適な検査環境を提案
S-Comet Boxは検査環境のカスタマイズが可能で、検査を行うテーブルを拡大したり、フレキシブル電子基板など浮き上がりや反りが発生する製品向けにバキューム仕様に変更する等、最適な検査環境の提供が可能。
担当者コメント
シリウスビジョン 担当・竹谷氏
「S-Cometには、弊社のビジョンである『目視検査ゼロ』を目指して日本のものづくりを支えたい、という私たちの想いが込められています。お客様の工場現場を訪問するたびに、人手不足や品質維持へのプレッシャーの高さを感じていました。本製品は、手に取りやすく、誰でも直感的に簡単に使えることを目指して開発しました。このS-Cometが、現場で働く方々の負担を少しでも軽くできれば嬉しいです。」
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