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2026/5/1

【レアアース磁石向け真空溶解炉】アルバック、国内生産体制構築。欧米を中心に受注が前期比約3倍に拡大見込み

 アルバックのレアアース磁石向け連続式真空溶解炉の受注が、欧米の磁石メーカーを中心に前期比約3倍に拡大する見通し。同社はこの受注拡大に対応するため、当該装置の日本国内における生産体制を新たに構築する。従来の中国拠点に加え日本拠点を整備することで二極供給体制を確立し、顧客に多様な供給選択肢を提供する。

レアアース磁石向け連続式真空溶解炉

背景
 レアアース磁石は、電気自動車、風力発電、空調機器、データセンター、宇宙産業など、幅広い産業の先端機器に不可欠な基幹部材。脱炭素化とAI普及の進展に伴い、世界需要は今後も拡大が見込まれる一方、中国への高いサプライチェーン依存度を背景に、欧米を中心としたニアショアリング(生産の地域分散)が加速している。
 アルバックはこれまで、中国の子会社においてレアアース磁石向け真空溶解炉を製造し、長年にわたり同市場の顧客の要望に応えしてきた。同拠点は、今後も中国市場の顧客への安定供給を担う重要な製造拠点。一方、欧米を中心とする新規磁石メーカーからは、地域分散を重視した供給体制を希望する声も高まっており、こうしたグローバルな需要拡大に対して安定的な装置供給を実現するため、このたび日本国内での生産体制を新たに構築することした。
<日本国内生産の概要>
 対象製品:連続式真空溶解炉
 国内生産能力:年間最大12台
 国内拠点立ち上げ:2026年9月予定
 出荷開始時期:順次出荷予定
アルバックの強み
 アルバックは1952年の創立以来、真空溶解装置および蒸着装置の国産化に取り組み、約70年にわたり技術を蓄積してきた。レアアース磁石の製造において中核となる溶解・焼結・時効などの真空工程向けに、各種装置を幅広く取り揃えている、世界でも稀有な装置メーカー。主要工程の連続式真空炉では、それぞれ世界シェア7割以上(同社調べ)を有している。
 今回国内生産体制を構築する連続式真空溶解炉は、磁石材料の出発点となる溶解・鋳造工程を担う装置であり、この工程で形成される合金組織が最終的な磁石性能を左右する。アルバックは累計400台以上の真空溶解炉を納入しており、磁石製造プロセスに求められる高い生産技術力が、長年、世界の大手磁石メーカーから評価されている。

今後の展開
 レアアース磁石市場では、新規参入メーカーの増加に伴い、装置単体の提供にとどまらず、量産ラインの立上げ支援を求めるニーズが高まっている。アルバックは、真空溶解炉をはじめとするレアアース磁石向け製造装置のさらなる安定的な供給体制を拡張するとともに、量産ライン全体の最適化支援へと事業領域を拡大し、磁石量産技術の統合エンジニアリング企業を目指す。

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